「現役続行」と「現役続投」の違い

言葉の違い
記事内に広告が含まれています。




スポーツ選手などがキャリアを続けることを「現役続行」と表現するが、ごく一部のメディアでは、「現役続投」と表現されることがある。この二つの単語の意味の違いは何だろうか?筆者が考察する。

大半は「現役続行」、「現役続投」はごく稀

スポーツニュースなどでは大半の場合「現役続行」という単語が使われており、「現役続投」が使われるのは稀だ。いずれも複合語に該当するものとみられ、誤用とは言えないだろう。

「続行」という単語は、広辞苑(第7版、岩波書店)では次のように定義されている。

「つづいて行われること。つづけて行うこと。」(出典:『広辞苑第7版』より引用)

つまり「現役続行」は文字通り、“現役生活を続けて行うこと”という意味合いになるだろう。

「現役続投」は同一チーム所属継続などを表している可能性も

一方で、「現役続投」が、現役を続けることに加えて“選手の同一チーム所属継続”も表している可能性もある。

「続投」という単語は、広辞苑(第7版、岩波書店)で次のように定義されている。

「野球で、投手が交代せずにそのまま投げ続けること。転じて、役職を任期など区切りの時点でも辞めずに続けること。」(出典:『広辞苑第7版』より引用)

この定義だと、「現役続投」は“現役を、役職を辞めずに続けること”という意味合いになるはずだ。ゆえに、その選手が属するチームや地位から離れることなく、かつ現役を続ける、という意味合いを持つのではないだろうか。

ただ現状ではポピュラーな表現が「現役続行」であることから、積極的に「現役続投」を使う必要はないだろう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました